ドッグフード 国産の特異性と共通点

近年になって大腸菌0157などの新種の病原菌も登場して脅威となっている。
これらの菌はどこにでもあるのだが、これらが三O度C前後の温度で、時聞をかけると異常増殖し、食中毒が起こるというのが一般的だ。
レストランや弁当製造などの現場では、食材などには食中毒菌をはじめ多くの生菌が存在しているが、洗ったり加熱したりと適正な処理をし、一八度C以下の定められた温度で保管し、一定の時間内の賞味期限に食べてもらえばまず問題はない(一八度Cというのは、NREにおける弁当などの流通時の最高温度で、魚や肉などの生食材はさらに低い温度管理を定め、鮮度維持のために湿度の管理も併せて行う場合が多い)。
合成保存料なども必要ないし、それが最も正しいやり方だと信じている。
そのためには適正な洗浄や加熱、そして、その後の冷却などの温度管理が正確にできる現場の作業体制の確立が大切で、食べ物稼業の社長は、そこをよく見ていないと現場に責任がもてないことになる。
合成保存料の誘惑かつては衛生環境が悪く、食中毒は怖いものと恐れられていただろうし、犠牲者も多かったに違いない。
そこに、食中毒の発生を抑えるに有効な殺菌剤、合成保存料、防かび剤などの化学物質が開発され、食品衛生法でその使用が認められれば、誰でもそれらを使って食中毒の恐怖から逃れようと思うだろう。
その結果かどうかはわからないが、いま食品関係の業界では、「食中毒はほぼ克服しえたもの」という感覚が一般化してきた。
食中毒などを起こすのは、中小の負け組企業であって、いまや大企業などでは起こりえないという常識が形成されつつある。
ところが、二000(平成十二年に雪印乳業が一万五000人に及ぶ大食中毒事件を起こしてしまった。
これは大手乳業が発生源だけに、常識を破る非常に珍しいケースで、われわれも意外に思った。
新聞などの報道では、生産機器の洗浄が不十分だったり売れ残りの牛乳を再使用するなど、あってはならない点がいくつも露見し、むべなるかなと思ったものだ。
しかし、あれだけの大企業では普通考えられないことだった。
こうして、多くの先進大企業で「食中毒をありえないこと」とすることができたことは大変喜ばしいととではあるが、それが合成保存料などの薬品の力に依存することによって、食中毒などの起こりえない体制を作り出しているのだとしたら、そこは私と考え方が相違している。
いうまでもなく、合成保存料などは食物の中の細菌を殺したり、活動を抑える「細胞毒性」があり、その使用はいわば食中毒を制するために新たな化学「毒」を用いるものであり、食中毒の毒は防げても新たな化学「毒」が体内に入ってしまい、人の休の細胞に毒性を発現させる恐れがある。
食べ物は人の生命を維持する大切な養分であり、できるだけ自然で純粋なものが望ましい。
また、食中毒という現象ですら自然界の必然の事象であり、これを化学物質の力で抑えるよりも、より清潔で衛生的な手法を用いて中毒を防止したほうがいいし、それが正道なのである。
さらに、大量販売の目的や、見栄えをよくしたり昧や香りをよくしたりするために、天然添加物のみならず人口着色料、発色剤や香料など、たくさんの化学物質が投入されている。
価格競争と広域流通の進展による食品の大量販売は、厚生労働省の認める添加物を利用すれば賞味期限を大幅に延長できることから、殺菌剤、合成保存料、酸化防止剤、防カビ剤、日持ち向上剤など、ありとあらゆるものが使用されることとなっている。
その結果、消費者は食中毒の危険から免れることができても、体内に入り込んだ様々な化学物質による「複合汚染」の不安を感じることになる。
また、最近いわれている新たな問題として、食品テロの危険も頭においておかなければならない。
日本は食糧の大半を海外に頼っていることからすると、さらに大きな食品の安全性の問題を抱えている。
したがって、食品の安全性の確保を世界に向かって最も主張しなければならないのは、世界から多くの食糧を輸入している日本なのである。
日本が食品の安全性の目標や事実上の基準を作り、世界的な視野で安全性確保、自然食品の普及、品質の向上などの提案を、今後の食糧危機や環境問題などと関連して進めていくべきだと思っている。
食品の安全問題は、食中毒もさることながら、それに加えられる様々な化学物質、さらには食品テロにいたるまで、気が遠くなるほどの潜在的危険性が増大しつつあるのだ。
これは一九九九年に、アメリカ・カリフォルニアのタニムラ・アン卜レー社という日系農家から聞いた話だが、野菜や果物などをアメリカから海外に輸出する場合、害虫駆除として、日本以外の国へは二酸化炭素で「薫蒸」(害虫などを殺すために薬剤でいぶすこと)をしているのに、日本向けだけは青酸ガスや二臭化メチルといった劇薬を使っている、日本の消費者はそのことを承知し、納得しているのか、という話であった。
ほかでも聞いてみたら、そのような薫蒸を行っているようで、日本に害虫などが入り込まないための厳格な処置だという。
しかし、害虫の侵入も困るが、青酸ガスを浴びた野菜や果物であったならもっと困る。
これが外国で行われているだけに、日本の消費者は人の命と、虫の害と、どちらを大切に考えているのかと思われるのではないだろうか。
このような厳しい環境下であるにもかかわらず、日本では食中毒さえ起こさなければいい、という常識で全てが丸くおさまっている感がある。
しかしそれは、実際は合成保存料やその他の添加物などの力に頼っているかもしれないし、毒性の強いガスで薫蒸されているのかもしれない。
もしそうだとすれば、今度は消費者が毎日合成保存料などの添加物によって複合的に汚染されているのだから、そちらの害の心配をしなければならない。
食中毒に関しての私の考えは、製造者が国によって公認されている化学物質を使うことにより、よりパーフェクトにリスクを回避したいという気持ちはわかるが、完全防護は、徹底した衛生管理と流通における温度管理によってなされるべきであるし、それは十分可能なのである。
したがって、自然現象としての食中毒のような食品の安全性確保のために、新たな細胞毒性をもたらす化学物質に頼るようでは、これからの食品の非自然化はますます進んでしまい、食品に対する消費者の信頼はなかなか得られないだろう。
なお、これまで日本の食材に用いられてきた天然添加物(例えば、豆腐製造に用いられる「にがり」、「酢酸」などのPH調整剤、お茶に含まれる「カテキン」、その他各種醸造菌)などは、海外からもますます注目されつつあるというが、これらの開発、活用は非常に重要なのではないかと考える。
東京都の雛形となったHACCP導入私は一九九O (平成二)年に建設した荒川区尾久工場から、五カ所のセントラルキッチンや弁当工場については、その全てを無菌室構造とし、ここでつくる弁当類の生菌数は、通常の工場の一O分の一くらいの、一グラム当たり三OO個以下を基準値とした。
工場内を無菌構造にしたうえで、洗浄室、野菜処理室、肉・魚の処理を分離し、加熱調理、真空冷却、管理温度保管、盛りつけ、調製、仕分け出庫という流れで、生産を進めた。
また、それぞれの細かい工程処理や渦度管理などをチエックすることで、作業ミスを防止するアメリカ生まれの危害分析重点管理法(HACCP)と呼ばれる衛生管理法を導入した。
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